ダンデライオン
みんなが彼女のことを“ノゾミちゃん”と呼んでいるんだったら、俺も呼んでもいいよね。

「はい、何でしょうか？」

ノゾミちゃんが返事をした。

「ノゾミちゃんは、誰か好きな人っている？」

俺はノゾミちゃんに質問をした。

「えっ、好きな人ですか？」

質問されたノゾミちゃんは訳がわからないと言うように首を傾げた。

もしかしたら、この子は意外と恋に疎いところがあるのかも知れない。

でもこんなにも美人だったら１人くらい誰かとつきあったことがあるかも知れない。

そう思いながら、
「誰かいないの？」

俺はノゾミちゃんに聞いた。

ノゾミちゃんは困ったと言うように口を閉じた。

「ノゾミちゃん？」

俺はノゾミちゃんの名前を呼んだ。
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