狼×4+私=架空世界
「ったくも~…」

「何キレてんだよ。」

「うわ!!びっくりした!!なんだ、フウトか。」

「なんだってなんだよ。」

「ごめんごめん。」


驚いてつい、ね…

音も気配もしなかったから全然気づかなかった。

台所も本当に広い。

レストランの厨房に匹敵する広さ。

冷蔵庫を開ければひんやりとした冷気と全部食べ切れるの?ってくらいの食料。

野菜から何から、全て揃っている。

私はそれを使って、簡単に作れそうなものを作っている。

引きこもりだけあって、両親は共働きで夜遅くにしか帰って来なかったから、昼と夜は自分で作らなくちゃいけない。

毎日両親の代わりに家事をこなしていた私にとって、料理は朝飯前なのだ。


「出来た!!って、フウト!!つまみ食いは駄目!!」

「ケチ。」

「ケチで結構ですぅ~っだ!!」


フウトにい~っと歯を見せて、私は皿を運ぶ。

4皿作ったけど、これで足りるかなぁ…


「おい、お前ら。これ運べ。」


フウトが談笑している3人に声をかけると皆立ち上がって運び出す。

今思ったけど、この中で一番主導権強いのってフウト?

5人も人がいると、すぐにテーブルに料理が並ぶ。

食材を使った割には結構ちんけな料理だけど、恐らく美味しいはず…

一斉に頂きます、と言って食べ始める。

何か言われないか怖くなってきたな…

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