狼×4+私=架空世界
ご飯も食べ終わり、家の中を散歩。

ドアを見つけたらひとまず開けて、何の部屋か確かめる作業をしていた。

さすがにドアの柄と色では判別がつかないから、表札をかけていくことにした。

今のところ台所1部屋、ダイニング2部屋、リビング3部屋、浴室1部屋、トイレ5つ、物置4つ、和室2部屋、洋室2部屋、中庭1つ、そしてそれぞれの部屋5部屋。

神様がこしらえただけあって、豪邸。

窓は開くけど外には出られないのは、あの神様のお話通りなんだろう。

外は危険だ。

殺されていつ仲間が一人減ってもおかしくない。


私達は自分たちを殺す人たちを殺しにいく。

それが能力となり、使命となってしまった以上、もう曲げられないのだ。


「私、まさかこんなに家が広いとは思わなかった…」

「確かに!!俺、こんな広い家に住めるの案外嬉しいかも!!」


一緒にいるセシルは子供のように飛び跳ねる。

そんなに嬉しいのね…


「セシルってもしかしてさ、元貧困層?」

「ん?うん!!マシューは元富裕層だったけどそれ以外は皆元貧困層だよ!!

それがどうかした?」

「ううん。なんでもないよ。」


これだけ喜んでいるのにはやっぱり理由はある。

私は物心ついた時点で既に責任放棄をしていたけど、皆もしかして、ひもじい思いして生活してたのかな…。

でも、そこまで踏み込めるほど私達は親しくない。

と躊躇していると。


「聞く?俺達の出会い!!」

「え…それ、勝手に聞いていいの?」

「もちろん!!だって、ユイも俺達と同じ仲間だもん!!」

「…ありがとう。是非、聞きたい、です…」


セシルは嬉しそうに頷くと話し始めた。
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