狼×4+私=架空世界
「貧困層って一括りに言ってもさ、色んな人たちがいるじゃん?

普通の収入の人たちも貧困層だし、ホームレスだって貧困層って呼ばれてるでしょ?

俺とフウトは普通の収入の家だったんだけど、親も親で、まぁ世に言う無関心ってヤツ?

それだったんだよね。」

「本当に?…そう言えば、ハヤテは?」

「そう焦るなって!!後から話すよ!!

家は隣同士だったからさ。よく二人して外に放り出されてたんだよ。

それで知り合って。その内、自分家に帰んないでその辺歩き回って食べ物探して。

そこで、偶然倒れてる人がいてさ。それがハヤテ。

すごかったんだぜ?ガリガリで。今より肌が白…っていうか真っ青だったし。」

「それ大丈夫なの?」

「うん。いや、大丈夫ではないんだけど、

聞いたら引っ越ししてきたのはいいんだけど、外に放り出されて6日目だって言ってて。

急いで食べ物持ってきてさ…っていう話。

でさ、富裕層が通ったら頭下げなきゃいけないじゃん?

でも、ハヤテの食べ物集めてる時にすっかり忘れてて素通りしてさ。」


『貴様!!何をしておる!!』

『へっ?』

『坊ちゃんに頭を下げんか!!』


「ってな感じで。」

「怖~…そんなひどい怒り方されたの?」

「貧困層だから、まぁしょうがないよ!!

で、その坊ちゃんってのが…」


『いや、いいよ爺や。

この者も急いでいるんだ。行かせてやれ。』


「…マシューだったわけ。」

「え!?喋り方全然違うじゃん!!あのふざけた感じは!?」

「そりゃ、お坊ちゃんだから。そんな言葉使ったら怒られるよ。」

「あ、そっか。」

「で、ハヤテが回復した頃にマシューと遭遇したんだよね。

そしたら、意外なことにさ…」
< 14 / 76 >

この作品をシェア

pagetop