狼×4+私=架空世界
神様が話したかったことはそれだけだったらしく、早めに話を切り上げて去って行った。

他の人たちはまた雑談をし始めているけど、私はそんな気分になれない。

だって…私が。

私のせいでマシューのお父さんが。

皆がそれぞれの自室に帰ろうと部屋を後にしていく。

私はマシューを呼び止めた。


「ごめんね、マシュー…。

私のせいで…私のせいでマシューのお父さんが…」

「いいよ。そんなこと気にすんなって。

元々絶縁状態だったんだ、今更死のうが死なないだろうが興味ないしw」


そう本人に言われても私はまだ罪悪感に包まれていた。

超能力者とはいえ、一人の人間だ。

自分は『人を殺した。』

その思想が意識の奥深い中に潜んでいる。

どんなに気にするなと言われたとしても、私にとっては気にすることであった。

不意に頭に何かが乗る。

マシューの手だった。

私の思いとは正反対の温かい手に心が休まる。

マシューは私の頭をポンポンと撫でた。


「ユイ。悩むな。

気楽にいこ?な?」

「うん…」


顔を覗き込まれそう言われてもなお、暗い表情の私を見たマシューは髪の毛をぐしゃぐしゃとかき回した。

みるみるぼっさぼさになる私の髪の毛。

そんな私を見て一人で大笑いしながら、マシューは更にくすぐってきた。


「わー!!やっやめて!!あははっ!!くすぐったっ…!!」

「そうそう。ユイはそうやって楽しそうにしてるのが一番いいんだってw」

「やっ!!あははっ!!」


涙が出るほどくすぐられ、なよなよした気分が一気に吹き飛ばされた気がした。

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