狼×4+私=架空世界
朝、瞼の上から日光が差して、私は目を覚ました。

目を開いたら直射日光が当たる。

う、光って怖い…

軽く目潰しをされた気分でベッドから這い出す。


初めてこの家に来た日から約一か月が過ぎていた。

いい加減、家事とかが身についてくる。

ミッションもまだ来ない。

さすがに頻度が多かったと、神様も反省してるんだろうか。

立て続けに人を殺すってきつい。

そもそも人を殺すこと自体、嫌だけど。

建前では退治なんて言ってるけど、こんなの人殺し同然。

次は誰を殺さなくちゃならないんだろう…


「ユイ!!おは!!」

「おはよ、セシル」


日頃から疑問なのは、セシルのテンションがいつも高いこと。

朝って大抵の人がテンション低いのに、セシルだけ異様に高い。

この元気は一体どこから来ているのか、色んな意味で心配。

私が難しい顔をしていることに気づいたセシルは、私の顔を覗き込む。


「ユイー、どうしたのー?おーい」

「どうもしない、どうもしない」

「んー、そ?」


特に気にする項目でもなかったのかセシルは前を歩いて行った。

いいな、自由人はやけに生命力があるもん。

私の前に後ろから人影が差す。

そしてその影が動き、私の左耳をつねった。


「痛痛痛痛!!」

「漢字並びすぎだろ。馬鹿に見えるぞ。」

「馬鹿で悪うございましたね!!」


フウトだった。

馬鹿じゃん、みたいな顔され鼻で笑われる。

ひどい、そんな露骨に馬鹿扱いしなくても…

その前に、フウトは私より頭悪いじゃんか!!

フウトの中学生の時の数学が15点だって?

ふざけてる。

私の方が断然いいもん!!

と心の中で抗議する。

口に出したら絶対耳ちぎられるし。

いや、ホントに。

くっそ、学力で舐められてたまるか…

思いっきり、フウトの足を踏みつけてやった。


「うわ、いって!!お前何すんだよ!!」

「仕返しに足を踏みつけました、悪しからず~。」

「悪しからずとか、ユイのくせに使いやがって…」

「嬉しい反応どうもありがとうございま~す(棒)」


私は一目散に逃げた。

留まってたらどうなってたかって?

半殺しの目に遭います。

片足を持ちあげて、ぴょんぴょん飛んでいるフウトを尻目に私は廊下を全力疾走した。
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