狼×4+私=架空世界
「えぇ~、ごっほん。

今日は君たちに外出をしてもらおうと思う。」


朝、セシルに叩き起こされリビングに寝ぼけ眼で行くと、既に4人が揃ってた。

第一声に聞いたのはその衝撃的な言葉だった。

責任放棄者が外に出るなんて死に急いでるとしか思えない。

神様は、私達に死んでくれって言ってるんだろうか。


「外に出る時は、わしが事前に君たちの手の甲にある紋章を消す。

ま、気軽なお散歩だと思って歩くがよい。」


富裕層や貧困層が一定距離に近づくとその紋章は光を放つ。

包帯を巻けばいいのかもしれないが、残念ながらそれを巻いても更に強い光を放つだけ。

話に聞いただけだけど、私達を殺すのはほとんど貧困層。

何故なら富裕層からひどい扱いを受けてるから、その腹いせ。

富裕層は責任放棄者を見かけても空気のように扱うから、あまり害はないみたい。


それにしても気軽なお散歩って…

お金がないんだから何も買えない。


「散歩とは言っても、さすがにわしだけでは用意できないもの。

それを買ってもらいたい。

君たちの好きな物をだ。

お金は腐るほどある。

自由に使って構わない。」

「えっマジで!?」

「もちろん。」


フウトとセシルが喰いつく。

目を輝かせて。

私にはいまいち分からない感覚だな…

なんせ、ニートでしたから。

お金を使う必要、一切なし。


「では、飛ばすぞい。」


神様は、いつも通り考える余裕も与えずに、私達はワープさせられた。
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