狼×4+私=架空世界
「うわー、久しぶりに来たなー!!」

「本当、いつぶりだろうね~」

「人だらけwwきもちわるww」

「昔と変わんねーな。いつにも増して埃っぽい。」


皆が口々に懐かしむ言葉を並べるなか、私は一人呆然と立ち尽くしていた。

人の多さもこれまで見たことがないくらいだけど、なんだか異国に来た気分になる。

屋台には色とりどりの野菜が並び、アジアン雑貨店もある。

ケバブの店頭では髭を生やした男性がギターらしきものを片手に歌っている。

賑やかに歩く人達。


ここが、あの身分制度がある日本だとはとても思えない。

富裕層か貧困層かなんて区別がつかない。

でも、楽しいならいいじゃないか。


…そんな思いがひしひしと伝わってくる。


「ユイ、皆行っちゃうぞww」

「うん、今行く。」


マシューに声を掛けられて我に返った私は、すぐさま皆の後を追った。

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