狼×4+私=架空世界
第六章
「なぁ、姉ちゃん。これ試してみねぇか?」
私を引っ張りこんだのは無精髭を生やした男だった。
歯並びの悪さが目立ち、それを恥ずかしげもなく人目に晒す。
気持ち悪い…
それが第一印象であった。
男は手に注射を持っていた。
不自然な色をした液体が入っている。
まるでホルマリンの色みたいだ。
男はへへっとグロテスクな笑みをこぼし、私に問いかける。
「な、姉ちゃん。
タダですっごくいい気分になれるんだよぉ?
ほれ、一回やってみようよ」
男の息が鼻にかかる。
臭い…
別にいい気分になんてなりたくないし。
ってかいつまでも腕掴まないでよ、気持ち悪い。
そんな思いを込めて弱弱しく腕を振りほどこうとする。
しかし男の手はしっかりと掴んで離さなかった。
「なぁ、姉ちゃん。
その沈んだ気分も一瞬で吹き飛ぶんだぜ?
ほらこれを打てば…」
私は別に沈んでなんかいない。
もう人のせいで振り回されるのはこりごりなんだ。
男は注射を私の目の前に持ってくる。
ホルマリンの色ではなく泥水の色に見えてきた。
汚い。
男の爪が次第に腕の肉に食い込んでいく。
嫌だ。
触んないで。
「触んなっ!!」
「おいおい、まだ答えは貰っちゃいないぜ?
タダで打ってやるから…」
「離せッッ!!」
「チッ…こっちが下手に出てやってるってのに…
生意気な小娘だな…」
男の爪に血が滲んだ。
私の皮膚を、この男の爪が張り破ったのだ。
途端に鳥肌が立った。
近づいちゃいけない。
本能的にそう感じ取った。
私は必死に腕を振り回す。
男の爪は私の皮膚を爪で引き裂いた。
ただ者じゃない、こいつ…!!
「世奈様の命令なんでな、ちょっと黙ってもらうぜ。
姉ちゃん」
背中に激痛が走り、私は強い衝撃と共に意識を失った。
私を引っ張りこんだのは無精髭を生やした男だった。
歯並びの悪さが目立ち、それを恥ずかしげもなく人目に晒す。
気持ち悪い…
それが第一印象であった。
男は手に注射を持っていた。
不自然な色をした液体が入っている。
まるでホルマリンの色みたいだ。
男はへへっとグロテスクな笑みをこぼし、私に問いかける。
「な、姉ちゃん。
タダですっごくいい気分になれるんだよぉ?
ほれ、一回やってみようよ」
男の息が鼻にかかる。
臭い…
別にいい気分になんてなりたくないし。
ってかいつまでも腕掴まないでよ、気持ち悪い。
そんな思いを込めて弱弱しく腕を振りほどこうとする。
しかし男の手はしっかりと掴んで離さなかった。
「なぁ、姉ちゃん。
その沈んだ気分も一瞬で吹き飛ぶんだぜ?
ほらこれを打てば…」
私は別に沈んでなんかいない。
もう人のせいで振り回されるのはこりごりなんだ。
男は注射を私の目の前に持ってくる。
ホルマリンの色ではなく泥水の色に見えてきた。
汚い。
男の爪が次第に腕の肉に食い込んでいく。
嫌だ。
触んないで。
「触んなっ!!」
「おいおい、まだ答えは貰っちゃいないぜ?
タダで打ってやるから…」
「離せッッ!!」
「チッ…こっちが下手に出てやってるってのに…
生意気な小娘だな…」
男の爪に血が滲んだ。
私の皮膚を、この男の爪が張り破ったのだ。
途端に鳥肌が立った。
近づいちゃいけない。
本能的にそう感じ取った。
私は必死に腕を振り回す。
男の爪は私の皮膚を爪で引き裂いた。
ただ者じゃない、こいつ…!!
「世奈様の命令なんでな、ちょっと黙ってもらうぜ。
姉ちゃん」
背中に激痛が走り、私は強い衝撃と共に意識を失った。