狼×4+私=架空世界
ユイside


命からがら、逃げ帰った。

正直、あの時のことはよく覚えていない。

極度の疲弊感と睡魔に襲われた。

着替えずにそのままソファへダイブ。

すぐに睡魔が私にのしかかる。

ずるりと睡魔に吞みこまれながらぼーっと天井を見つめた。

敷き詰められた天井。

それがなんだか虚しく思えた。

いつも元気なセシルも、さすがに今日はぐったりとしていた。

家に帰ってくると傷は治るらしく、ボロボロだったハヤテとセシルの体は元通りになった。


目を閉じる。


先程、何かが見えた。


白い研究室。


青白く点滅する機械。


ポタン、ポタンと点滴の落ちる音。


ベッドに横たわる人。


その顔はぼんやりとでよく見えなかったが。



マシュー、フウト、セシル、ハヤテ、そして私の物のように見えた。



幻覚だとしても。


絶対にどこかで見た覚えがあるのはなぜだろう?
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