またね。
《ごめんな、心愛。
こんなお父さんでごめん。
お母さんをよろしく。
きっとまた、出逢える事を信じて…
“またな”
お父さんより》
それは、
父からの、
最初で最後の手紙だった。
溢れ出る涙を必死に拭って、
父の手紙を握った。
その時、
後ろから感じた温もりに、
私は驚いて、振り返る。
おばあちゃんは、
振り返った私を、
もう一度優しく抱きしめて、
『もう大丈夫だよ
これからは、おばあちゃんがいるから
もっと早く、おばあちゃんと一緒に暮らしてれば…
心ちゃん、泣きたいだけ泣きなさい』
そう言った。
いままで我慢していたものが一気に溢れ出るかのように、
私は
声を上げて泣いていた。