NEVER


「何も……ないです…。」

その応えを聞いてから、しばらくして陽翔先輩は何も言わずに手を離した。
途端、男の子はヘナッと座り込んだ。

そりゃあ、そうだよ。

1歳年上ってだけだけど、県内2位の暴走族のましてや総長様にガン飛ばされたら、そうなるよ。

でも、そうやって私を守ろうとしてくれていることは嬉しかったりもする。

だから、下手に"そういうこと、しないで"
とも、言えないんだよね。

でも、さっきのは少し可哀想だったかな⁇

「行くぞ。」

スタスタと歩き始めた陽翔先輩に追いつこうと私は、小走りをする。
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