嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。

腕組みをして、真っ直ぐに睨みつける。
距離にして1、2Mほど近づいたところで、幹太が大股で近づいてくるから止まった。

けれど、巴と言う男もなかなか肝が据わっているのか、全然御呼ばれじゃないという雰囲気にも負けず、トンデモナイことをぶちまけた。

「だから来たのよ。晴哉がもういないなら、私と新しく歩みましょうよ。恋人になりましょう?」

目が点になる、とはこのことか。
呆れて言葉もでないということはこのことか。

次の瞬間、私の右ストレートが発射されたのは言うまでもない。

最低。
こんな日に、最低。

お義母さんが置くの部屋からまた、大量のお見合い写真を引っ張り出してきたので、今度は二人で投げつけた。

「鬼は外! 鬼はーーーーーー外ぉぉぉぉ!!」

慌ててバイクに跨り、道路に飛び出すまでずっと。

ずっと写真の角でツルツルの頭を殴りつけた。

お母さんとお父さんが塩をまき散らして、散々な二周忌は終わった。

あのくそオカマ。絶対に許さないんだから。


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