嘘つきな背中に噛み痕をアゲル。
露骨に嫌そうな顔をしつつも、またすぐに私を背中に隠してくれた。
優しいんだか、ただこのオカマが嫌いなんだか。
幹太は本当に分かりづらい。
「はい。晴一がいつもお世話になってますー」
挨拶もそこそこに先生が申し訳なさそうに言い出した。
『すいません。今日は園の床の工事の関係で、1歳児クラスは午前中までの保育とご連絡していたはずですが』
「母にはそう伝えたんですが、来てないですか?」
『はい。もう工事の人たちも来ていて、申し訳ないのですが迎えに来て下さらないと此方も困りまして』
ちらりと店内を見渡せば、おじさんも幹太もしるし、美麗ちゃんもいる。
連れて帰って、お義母さんにお願いすれば大丈夫かな。
「すいません。すぐに行きます」
電話を切ってすぐにおじさんの元へ駆けよるが、まだオカマが幹太と話をしていた。
「ごめん、おじさん。うちの親が晴一を迎えに来ていないらしくて。ちょっと迎えに行って、隣のお義母さんに預けてきていい?」