【続編】2月14日の同窓会
参加、不参加
「ん?誰だこのアドレス」
仕事終わり、携帯を確認して見覚えのないアドレスからのメールを開いた。
件名に「57期同窓会のお知らせ」とあり、高校で57期生だったことを思い出した。
本文には、同窓会の開催日時と開催場所、幹事の連絡先が書いてあり、最後に「送信者:更科くるみ(アド変しました)」とあった。
一斉送信でもなく君から送られてきているということは、僕の新しいアドレスを知っている高校の友人は、君だけということか。
「この日、休めるかなあ…」
同窓会の日取りは今日からちょうど一ヶ月後の2月14日。
365日ある中で、なぜこの日にしたのか幹事に問い詰めたい。
高校を卒業してもう十二年。
君が五年前に会いに来たとき以外、日本の友人には会っていない。
誘いは来るが全て断っている。
今更会って話すことなんて特にないのだが、君がわざわざ連絡して来るということは、君も参加するのだろう。
久しぶりに、君に会いたい。
僕は休暇届けにサインをして、事務室に提出した。
君はこの五年でどう変わっただろう。
それとも変わっていないのだろうか。
最近君から髪色を明るくしたと連絡がきた。
「パリジェンヌっぽいでしょ?」と写真付きで送ってきた。
結婚の連絡はないが、普通の男が君を放っておくわけがない。
きっと、連絡がないだけで、もう結婚してしまっているのだろう。
僕といえば、未だに君への未練が捨てられず、女性と交際しても長続きしない。
童貞ではないにせよ、未練がましく醜い男になってしまった。
< 1 / 9 >