【続編】2月14日の同窓会

「僕も聞いていい?」

 君はコクッと頷いて、また僕を見つめた。

「高校三年のときのバレンタイン、覚えてる?」

「うん」

「あの時、誰にチョコ渡したの?」

「…悠真以外には渡してない」

「え?だって、あの時、一緒に帰れないって」

「あれは…試してたん。わざともう一個の箱見えるようにして、悠真がなんて言うか。でも、なんも言わんと帰ったから、私なんてただの幼なじみなんやって思った」

 君の説明を聞きながら、次々に驚くことが増えていく。

「悠真が聞いてきたら、告白しようと思ってたんよ」

「じゃあ…あのあとの電話は…?」

「普通に、悲しくて、かけただけ」

「嘘だろ…僕はてっきりあの時、別の誰かに渡したのかと思って…だからすげえショックだったのに…ただの勘違いかよ」

 じゃあフランスに逃げてた八年間はまるっきり無駄で。

 お互い、勘違いで勇気が出せずに告白をためらって、三十路手前の今日まで過ごしてきたってことか。

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