英雄の天意~枝葉末節の理~
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それが私の初めの罪──私の弱さが招いたものだ。
彼のためを思うならば了承すべきではなかった。
私も、ラーファンも、世界を歩くにはあまりにも未熟で幼すぎたのだ。
彼が目を輝かせて夢を語る姿は勇ましく、見ているこちらも楽しかったものだが夢だけで終わらせていれば幸福であったかもしれない。
残酷な世界も、無情な死も見ずにいられただろう。
少なくとも私一人が村を出ていれば彼は見知らぬ地で命を落とす事はなかったかもしれない。
身寄りのない私と違い、彼には嘆く家族がいた。
現に私が村に戻ったとき、彼の両親は息子の死に涙を流していたではないか。
なんと大きすぎる罪なのか──