英雄の天意~枝葉末節の理~
「ラーファン、それは獣にやられた傷じゃない。剣によるものだ」
その言葉で彼は二人の兵士を凝視した。
兵士が戦場から逃げ出す事は少なくはない。
割に合わないものに命を賭けるほど彼らとて馬鹿ではない。
町は王都から兵士を要請するも、辺境の町に精鋭を送り込む程には西を重要視はしていないようだ。
送られてくる兵士は素人に毛が生えた程度の者か荒くれ者、大した強さは持ち合わせていない者ばかり。
「逃げてきたからどうだっていうんだ」
男はナシェリオを睨みつけた。
「傷の治療だけで終わらせる気はないんだろう?」
逃げた先に約束された生活が待っている訳でもない。
大抵はその後ろめたさから元の場所に戻れず、盗賊に身をやつしてしまう。
ナシェリオはそれを知っている。
その言葉で彼は二人の兵士を凝視した。
兵士が戦場から逃げ出す事は少なくはない。
割に合わないものに命を賭けるほど彼らとて馬鹿ではない。
町は王都から兵士を要請するも、辺境の町に精鋭を送り込む程には西を重要視はしていないようだ。
送られてくる兵士は素人に毛が生えた程度の者か荒くれ者、大した強さは持ち合わせていない者ばかり。
「逃げてきたからどうだっていうんだ」
男はナシェリオを睨みつけた。
「傷の治療だけで終わらせる気はないんだろう?」
逃げた先に約束された生活が待っている訳でもない。
大抵はその後ろめたさから元の場所に戻れず、盗賊に身をやつしてしまう。
ナシェリオはそれを知っている。