英雄の天意~枝葉末節の理~
尾はすらりと長いものの、体長はラーファン二人分強といったところだろうか。
確かに細い体をしているが、寝ていても解るほど力強い存在感を放っていた。
「ラーファン。止めよう」
「何を言うんだ。寝ている今なら倒せる」
どうして彼は気付かないんだ。あれは普通のドラゴンじゃない。
「行くぞ」
「ラーファン!」
呼び止めるも聞いてはもらえず、仕方なく彼の反対側に回る。
頭はラーファン、胴はナシェリオと分担し互いに首を振って同時に攻撃を仕掛けた。
しかし──突き立てたラーファンの剣はドラゴンの鱗に傷の一つも負わせる事は敵わず、胴体に向かってナシェリオの放った火の玉はまるで泡玉のごとく虚しくかき消された。
確かに細い体をしているが、寝ていても解るほど力強い存在感を放っていた。
「ラーファン。止めよう」
「何を言うんだ。寝ている今なら倒せる」
どうして彼は気付かないんだ。あれは普通のドラゴンじゃない。
「行くぞ」
「ラーファン!」
呼び止めるも聞いてはもらえず、仕方なく彼の反対側に回る。
頭はラーファン、胴はナシェリオと分担し互いに首を振って同時に攻撃を仕掛けた。
しかし──突き立てたラーファンの剣はドラゴンの鱗に傷の一つも負わせる事は敵わず、胴体に向かってナシェリオの放った火の玉はまるで泡玉のごとく虚しくかき消された。