英雄の天意~枝葉末節の理~
本当にラーファンなのかと瞬刻、口元を緩めるも彼がどうしてここにいるのか、その答えにたどり着く要素がナシェリオにはなく憂(うれ)わしげに目を泳がせた。
ラーファンはそんな友に口角を吊り上げ優雅に組んだ足を揺らす。
「この世界は不公平だとは思わないか」
にわかに問いかけられた内容にナシェリオは眉間にしわを刻む。
生前よりも物静かになったようにも見えてしかし、彼の背後からゆるりと染み出すようにどす黒いものも僅(わず)かながら感じられた。
「君は、どうやって蘇った」
「全ては冥王の慈悲だよ」
「冥王?」
死者の世界、冥府を統治している神がラーファンを生き返らせた?
されど、伝えられている冥王はあまり良い存在とは言い難い。
常に他の神たちを出し抜こうと画策し、狡猾(こうかつ)で抜け目のない神だと──それがラーファンに慈悲を見せたというのか。
それは何故だ?
ラーファンはそんな友に口角を吊り上げ優雅に組んだ足を揺らす。
「この世界は不公平だとは思わないか」
にわかに問いかけられた内容にナシェリオは眉間にしわを刻む。
生前よりも物静かになったようにも見えてしかし、彼の背後からゆるりと染み出すようにどす黒いものも僅(わず)かながら感じられた。
「君は、どうやって蘇った」
「全ては冥王の慈悲だよ」
「冥王?」
死者の世界、冥府を統治している神がラーファンを生き返らせた?
されど、伝えられている冥王はあまり良い存在とは言い難い。
常に他の神たちを出し抜こうと画策し、狡猾(こうかつ)で抜け目のない神だと──それがラーファンに慈悲を見せたというのか。
それは何故だ?