英雄の天意~枝葉末節の理~
 ラーファンの大きな声と陶器が割れる音に驚いてナシェリオはびくりと体を強ばらせる。

「ラーファン」

「俺は──っ。こんな所で老いて死にたくない」

 抑えきれない感情に声を震わせ必死に目で訴える。

 暖炉に燃える薪がぱちりと弾け、重苦しい空気をほんの少しだけ軽くした。

「お前なら、解ってくれるだろう!?」

「でも、君の両親は許さないよ」

 ラーファンの強い視線に絶えきれず、ナシェリオは思わず顔を背けた。




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