英雄の天意~枝葉末節の理~
 魔法使い(ソーサラー)は主に仲間の補助を務め、弓矢使い(アーチャー)がドラゴンへの牽制を。

 そして兵士たちがドラゴンの気を散らし、ネルオルセユルが攻撃し痛手を与えて弱らせたところを道楽息子がとどめを刺すという手はずだった。

 それが早くも崩れ去り、元々一同が考えていた作戦に素早く切り替える。

 どうということはない、道楽息子を外しただけのものだ。

 全身を覆っている硬い皮も、幾度となく同じ箇所を斬りつければそこから裂けてゆくだろう。

 仲間たちは降り注ぐ酸を避けながら、ただ一カ所を執拗に攻撃し続けた。

 そうして穿(うが)たれた勝機にネルオルセユルが剣を突き立て、刃に塗られた毒が回り弱るのを攻撃を避けながら待つ。
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