歩んだ先の未来




名前を呼ばれる度にドキドキするこの感じ。
森谷くんを見る度にドキドキするこの感じ。

顔の火照りが取れるように
違うことを考える。

森谷くんを追い出すように。

火照りが落ち着いた頃に
お手洗いを出て注文に向かった。

結構人が多く時間がかかってしまった。

ふと時計を見ると6時を回っている
通りでお腹が空くわけだ。




席に戻ると
森谷くんは伏せていて寝ているように見える。
私が遅かったし疲れたのかな。

どうしようこの状況。


とりあえず食べ物をテーブルに置いて座った。
自発的に起きる気配は見られない。


「森谷くん…。」

と呼んでみたが起きそうに無い。

つついて起こそうかと、手を伸ばした
ちょうどその時

がばっと起き上がった

「うわぁっ。」

女の子らしくない声が漏れてしまった。


「びっくりした?」

無邪気に笑う森谷くんは全く憎めない。




憎めないけれどびっくりしたのを
認めたくなくてもぐもぐと食べ始めた。


「怒ったの?ねー?ねー?」

私は無視して食べ続けていると

「あれ、俺のは?藍実、2個も食べるの?太っちゃうよ?ねー?」

「うるさいです。」


そういうと
急に私の手首を掴んでハンバーガーを
一口食べられた。


「んなっ、なにするんですか!森谷くんのはこっちです。」

慌てて差し出した。

「怒んなって。俺の一口やるから。」


「いらないです。そういう問題じゃないです。」


バカ。


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