歩んだ先の未来







誕生日プレゼントのこと
森谷くんに直接聞いちゃおうかな
とか思いながら歩いていると


「なんか、悩み事?俺で良かったら聞くけど。」


いや、悩みというわけではないが


「大丈夫です。1つ質問してもいいですか?」

「いいけど?」

「今、何か欲しいものはありますか?」

少し唐突過ぎたかな。
変なこと言われたらどうしよう。
ちょっとドキドキ。


「え、なんかくれんの?なんでも、いいの?」

「わ、私が可能な範囲なら大丈夫ですけど。」

何を言われるのだろう。


「敬語をやめて欲しい。」

真顔で言われた。
そんないきなりは…

「えーっと少しずつなら。」

「それでも全然いい。できれば名前呼んで欲しいなぁー。」

名前はちょっと。恥ずかしすぎる。
でも1回くらいなら呼べる気がする…!


もう家が目の前だし

よし、と自分に気合いを入れて


「あの、誕生日お、おめでとう。遅くなったけど。」

「そのためだったのか!ありがとう。」







自分の家の前についたので


「ば、ばいばい、優輝。」

私はそれだけ言うと急いで家の中へ入った。
言い逃げをしてしまった。


恥ずかしくて玄関で崩れてしまった。










外で顔を覆って

「反則だろ…。」

としゃがみこんでいるとも知らずに。


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