歩んだ先の未来
柔道室の前に着いた私は
男子の前を歩いていたため後ろに
振り返り
「ここです。」
「ありがとうございます。」
「私はこれで。」
と男性の横を通り戻ろうとしたところ
ドンっと壁に手を当てられ
通れなくされてしまった。
「あの、…。」
「なに、どうしたの」
さっきとは違う声のトーンに喋り方
恐怖心が芽生え始めた頃には遅かった。
「君、近くで見ると意外と可愛いね。」
顎を持ち上げられ放たれたセリフに
反吐がでそうになり
気がつくと涙が溢れ出していた。
「俺がいじめてるみたいじゃん、泣かないでよ。」
そう言って
男性の顔がどんどんと近づいてくる。
拒否しようと顔を背けようとするが
その願いは叶わず
必死に男性の胸を手で押して
拒否するが男性の力には叶わない。
もうだめだ、と思ったその時
「俺の彼女になにしてんの。」
今までに聞いたことのない
低い声でそう言ったのが聞こえた。