歩んだ先の未来



焼きそばを食べていると
癒音が戻ってきた。


「藍実ー。もうご飯食べてたんだ。遅くてごめんね。今横丁で買ってきたんだ。」


そう言って私の隣に座り
袋から焼きそばを取り出した。

「焼きそば、同じだね。」

と私が言うと

「焼きそば一番美味しそうに見えて。」

と笑いながら行ってきた。


毎年焼きそばが美味しくて
人気が高いと聞いていたので
私も買ってみたが本当に美味しい。


私も癒音も一気に焼きそばを食べた。


すると、いきなり


「いつ告白しようかと思ってるんだよね。」


と言いながら両手で頬杖をつく。

癒音の言葉に
私は一瞬ドキっとした。

「明日告白するの?」


「明日一緒に回る約束してて、その時にでも言おうかなと思ってるんだけど。」


できるなかなーと顔を覆う癒音。
恋してるなーとか冷静に
思ってしまう私。


「頑張って、応援してるよ。」

と笑って言う私。
心から応援なんてしていない。

明日には、森谷くんに
お返事をしなければならない。



自分で決めたことなのに
こんなにも心が痛いなんて…。


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