歩んだ先の未来



横丁のスペースにたどり着くと
もうすぐお昼時だからか
結構人が並んでいた。



「先輩、かわります。」


そう言ってきりのいいところで
先輩と交代した。



人が多かったこともあり
少しのあいだ先輩が手伝ってくれた。

「じゃあ、大変だと思うけどあとよろしくね。」

「はい、ありがとうございます。」


そう言って先輩は戻って行った。

初めてで最初は時間がかかっていたが
慣れてくるとお釣りを渡したり
するのも早くなってあまり待たせること
なく売ることができた。


あと、10分くらいで私の割り当てられていた
時間は終わると思っていたころ。


「すいません、チャーハン1つ下さい。」



「チャーハンですね、300円です。」


そこに立っていたのは森谷くんだった。


「森谷くんだったんですね、ありがとうございます。」

内心、少し動揺しながらも
チャーハンを手渡した。


「あの、あと10分ほどで終わるので少し待っていてもらえますか?」


「ん?あ、いいよ。でも、ここで待ってたら邪魔になるから、あの木のとこで待ってる。」


じゃ、あと少し頑張れよ。
と笑顔でこの場を去っていった。



10分なんてあっという間で
終わってすぐに私もお昼ご飯を買って
急いで木のところまで向かった。


森谷くんと同じチャーハンを
選んでしまったのは選択ミスだったかもしれない。


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