歩んだ先の未来




「森谷くん、頭いいですよね?」

森谷くんが少し驚いたようにしたあと
口角を上げて

「バレてた?楽しそうだったからさ。」

少し呆れたように私が

「森谷くんって不思議な人ですね。」


確か森谷くんは10位に入るか入らないかくらいだっと思う。
この前たまたま聞こえた会話の中から
得た情報だけど。




「ねえ、ここ教えてよ。」

と指をさした問題は
私もやっている数学の課題だった。

でも、森谷くんが指さした問題は
森谷くんなら難なく解ける問題だった。

意味がわからず

「え?森谷くんなら解けますよね?」

と言ってしまった。

「いや、わからない。教えて。」

本当に意味がわからないと思いながら
教えてと言われたのでとりあえず
解き方を教えた。

「ありがと。説明上手いね。」

優しい笑顔で言うから
嬉しいと同時に照れくさくなってしまった。

「え、何その可愛い反応。」

「う、うるさいです。」






それからしばらく真面目に
勉強していると癒音が

「ごめん、今日これから用事あるから帰るね。」

そう言ってファストフード店を出た。

それから間もなく。
福田くんも急に立ち上がって。

「帰る。」

それだけ言って帰っていった。

私と森谷くんの二人きりになってしまった。


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