センチメンタル・スウィングス
「零士。手伝ってくれてありがとな」
「じゃあお兄ちゃん。また・・・」
「桃子、今からお兄ちゃんと一緒に昼メシ食べよう。もちろん俺の奢りだ」
「え!でも仕事・・あるんでしょ?」
「ある。そして妹と語らいながら、昼メシを食べる時間ももちろんあるし、俺はそっちの方が仕事よりも何万倍も重要だと思っている」

このいじけた詰問顔は・・・やばい。
お兄ちゃん、知ってる!

「だ、だけど、私も今から仕事・・・」
「桃子も昼メシ食う時間、あるよな?」

来たーっ!兄の上から目線で威圧攻撃!!
やっぱりお兄ちゃんにバレてる・・・!

「そーだなー。ちょうど昼時だし。メシ行こうぜ」と言った和泉所長は、なぜか私たちの間に入って、右手を私の肩に、そして左手を兄の肩に置いている。

「え。あの・・」
「零士の奢りな?」
「なぜ俺が、おまえの分のメシ代まで払わないといけないんだ」
「おまえは俺より給料もらってんだから、当然のことだろ?ケチくせーこと言うなよ、専務ぅ」
「そういう時だけ地位を出すな」

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