センチメンタル・スウィングス
「思わないですよね。だから、この話はこれでもう終わりにしてください。それじゃ」

・・・驚きと、それ以上の憐れみ。
それらに加えて、恐怖と、「しまった」みたいな後悔。

婚約者だった学さんが浮かべた表情と、同じだった。

でも、沢村さんの気持ちはよく分かる。
特に結婚まで考えてくれていたなら・・・。

今は「それでもいい」と思うかもしれない。
でも、仮に結婚して、何年か経って、「やっぱりあのとき・・・」って後悔する時が来る。

だから早いうちに・・・まだ始まってない段階で芽を摘めば、罪悪感や後悔の気持ちは、少なくて済む。

沢村さん、ごめんなさい。
もう恋愛をしない私は、誰ともつき合うことはないんです。誰とも・・・。

と思いながら、そのときの私は、和泉さんの顔が思い浮かび・・・。
「俺たちの恋愛は、もう始まってる」と言った彼の低い声が、頭の中で響いていた。

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