センチメンタル・スウィングス
「婚約して、自分で自分のウェディングプランを立てて。ホント幸せだった。健康診断受けたのは、たまたまなんです。でもそのとき腫瘍が見つかって・・・。初期だから絶対助かると言われたけど、それでも目の前真っ暗になったし、パニックにも陥った。妊娠も最低5年はしないようにと言われて、あぁダメだ、彼と結婚なんてできないって。別れようと言ったのは私の方だったけど、彼の顔がね、“私とは結婚できない”って・・・先に言ってた」
『桃子・・・ごめ、ん。俺・・・』
絞り出すようにそれだけ言った、あのときの学さんは、病気になってしまった私への憐れみと、死に対する恐怖感に、自分を巻き込まないでくれという顔をしていた。
健やかなる時は一緒にいられるけど、病める時は一緒にいられない。
若ければ、そしてまだ結婚していなければ、そう思うのは・・・仕方ないことだ。
たとえ二人の間に愛があっても?
『桃子・・・ごめ、ん。俺・・・』
絞り出すようにそれだけ言った、あのときの学さんは、病気になってしまった私への憐れみと、死に対する恐怖感に、自分を巻き込まないでくれという顔をしていた。
健やかなる時は一緒にいられるけど、病める時は一緒にいられない。
若ければ、そしてまだ結婚していなければ、そう思うのは・・・仕方ないことだ。
たとえ二人の間に愛があっても?