嘘つきrainと弱虫五月

「あわわっ。え?あの、えと、ど、どちら様ですか?」

…すごい動揺っぷりである。

声も男の子にしては高めだった。

やっぱり私より年下なのかな。

「あの、覚えてないですか?
私、その…突き飛ばしちゃって…」

「突き飛ばし!?
…あ、なんか車椅子が落ちたのはなんとなく覚えてるんですが…。」

「…ごめんなさい!」

「いやいや!
僕もよく周りを見ていなかったので…。
って、薬取りに行ったのが4時半だから…
今5時半!?
一時間も待ってていただいたのでしょうか
こちらこそごめんなさい!」

そう早口でまくし立てた。

なんか、思っていたよりもフレンドリーな人だった。

くすっと笑ってしまった。
< 13 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop