嘘つきrainと弱虫五月
「あわわっ。え?あの、えと、ど、どちら様ですか?」
…すごい動揺っぷりである。
声も男の子にしては高めだった。
やっぱり私より年下なのかな。
「あの、覚えてないですか?
私、その…突き飛ばしちゃって…」
「突き飛ばし!?
…あ、なんか車椅子が落ちたのはなんとなく覚えてるんですが…。」
「…ごめんなさい!」
「いやいや!
僕もよく周りを見ていなかったので…。
って、薬取りに行ったのが4時半だから…
今5時半!?
一時間も待ってていただいたのでしょうか
こちらこそごめんなさい!」
そう早口でまくし立てた。
なんか、思っていたよりもフレンドリーな人だった。
くすっと笑ってしまった。