君の隣しかいらない

保健室

教室に戻り、四人で雑談をする。
「雪誰か好きになっちゃったー???」



んふふとニヤニヤしながら三人が聞いてくる。




「うん…」
頬を染めて私は頷く。


先に言ってる方がなにかと教えてくれるだろうと思い、言った。


「だれ?あーもしかして春井?ずっと雪あいつのこと見てたよね。」


「春井って言うんだ!可愛い苗字!」
もう頬が緩んだ。

「春井はやめときな。」

「あーあいつはやめといたほうがいい。傷ついて欲しくない。」


三人が口々に言う。


「なんで?」


苛立ちを隠しながら聞く。

三人は顔を合わせ言う?どうする?みたいな話をコソコソとしている。


……いいから、話せよ…。


段々怒りが湧いてきた。



「ねぇ。早く…聞かせて?」

と言いながらあたしは机の上にあった結菜のシャーペンを取り出し、芯を出したまま、ニコッと笑い、結菜の手に当てがい、こう言った。

「サシチャウヨ。ネエ。」


その瞬間三人がぞくっとしたのが分かった。


「なーんてね!嘘に決まってるじゃーん。顔怖いよー3人ともー。あははははは」


そう言うと3人は安心したかのようにホッとした表情を見せた。


「じゃあ、話すね?春井って冷たくて女に興味がなくてで有名なの。みんな、あいつを好きになっては泣いてるらしいし。
一部ではホモじゃないかって騒がれてるしね。」
と結菜が喋った。



「そんなの簡単でしょ。女に興味をもたせたらいいだけのこと。春井…なに?下の名前。」

と、結菜の席から立ち上がった。

「春井 慶和(ハルイ ケイナ)だよ。」

慶和…か。うふふふ。
「ありがとう。ちょっと行ってくるね。」

「どこに!?もう授業始まるよ!?!?」
3人とも驚いた顔をしながら私に言った。

そんなの関係ない。


「保健室に行ってくる。吐きそう。最近寝不足で。」
ってあくびをしながら教室を出る。

それなら仕方ないか。と3人で話す声が聞こえた。
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