喫茶の謎解き意地悪紳士2
「お前っ……!あとで覚えとけよ。」
「安心してください。僕は10秒で忘れます」
何食わぬ顔でファイルをみながら叶亜が言う。
なぜこんなにドSに育ったのか。
「……俺、子育てに向いてないな」
「阿部さんに育てられた覚えはありませんよ。阿部さんは僕の、げ・ぼ・く」
ニッコリ笑顔でいう叶亜に、振り上げた拳をゆっくり下ろす。
何度も殴ろうと思うが、なぜか行動にうつせない。
……俺、親バカなのかもな。
そう思った阿部だった。