喫茶の謎解き意地悪紳士2


「警察は既に、彼女を容疑者としてにらんでる。もう覆すことは無理だろうな」

阿部が諦めたようにため息を吐いた。

「……叶亜さんは、どう思ってるんですか?」

『葵は犯人じゃない』

葵の本性を知っても、私は約束したんだ。

裏切られても、『葵の無実を証明する!』って、約束したから。

「……君は、お人好し通りすぎて、やっぱりただのバカだな!!」

返ってきた言葉は思いもよらぬ、質問の答えになってない返事。

「答えになってません」

「答えただろ。君の今の感情に」

詩音の今の感情……。

「裏切られたのに、なぜまだ無実を証明しようとしてるんだ。彼女は君を、裏切ったんだぞ。」

叶亜が冗談なしの真剣な顔で、詩音を真っ直ぐにみた。

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