喫茶の謎解き意地悪紳士2
 

「……友達ですから。私と葵は。裏切られても、私が葵を助けないと」

本当に私はバカなのかもしれない。

裏切られたのに助けようだなんて。

何とも言えない感情が込み上げてきた。

顔を見られまいとうつむくと、叶亜が無言でビニールに入った何かを差し出した。

それは、血のついた携帯電話。

「……これ、舞の携帯」

「被害者がポケットの中で握ってたそうだ。血まみれの手でな。」

阿部が説明する。

この携帯電話に付いているのは、舞の血。

舞の携帯電話は、ピンク色のガラケー。

『私、機械オンチだから、スマートフォンとか扱えないんだ。ガラケーで精一杯なの』

前に舞はそう言って笑っていたっけ。

そっと電源ボタンに触れると、画面がついた。

画面に出てきたのは、謎の数字。

『145 698 147 698 7 1478 15 125』

何だろう。この数字。

< 135 / 203 >

この作品をシェア

pagetop