喫茶の謎解き意地悪紳士2


『どこって……。暴走族のアジトの前です。今倉庫の中で何かしてるみたいで……』

電話越しにかすかに聞こえる詩音の声。

「いいか!?俺が行くまで絶対そこを動くなよ!?絶対一人で動くな!」

『でもっ……』

「俺の言うことが聞けないのか!この単細胞!!」

『なっ……単細胞だなんてっ……』

その瞬間、通話がいきなりきれた。

「どうした!?おい、おいっ!」

叶亜は携帯電話をしまうと、阿部をみた。

「あいつが捕まったかもしれません。急いで!!」

「あ、ああ!分かってる!」

車の鍵を取り出すと、ひょいと綾華に横取りされた。

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