喫茶の謎解き意地悪紳士2
やっぱり、開いている。
暗い商店街にひとつだけ明かりが点いている喫茶店。
その喫茶店のドアを開けると、カラン……とドアについている鈴が揺れた。
カウンター席の向こうの棚に、コーヒー豆の入ったビンがずらっといくつも並んでいる。
店内を流れる静かな蓄音機が、夜の商店街の雰囲気を醸し出しているよう。
「……あいっかわらず、不気味な喫茶店だな」
そう呟きカウンター席に座ると同時に、カウンターの奥から車椅子に乗った叶亜がやって来た。