喫茶の謎解き意地悪紳士2
「昨夜ここを通った目撃者の話では昨日、被害者の家に君が訪れるのを見たと聞いたんだが」
阿部が刑事の顔になり、葵に聞く。
葵がビクッと肩を震わせた。
「……どうなんだ?まさか、君が殺したんじゃ……」
「ち、違いますっ!!」
涙声で葵が反論した。
「私はっ……殺してなんかいません!」
「そう言える証拠は?」
「それは……っ」
葵が言葉に詰まり、ハッと詩音を振り返る。
「詩音なら……信じてくれるよね?私が舞を殺してないって……。」
電話では『舞を殺しちゃったかも』って……。
でも考えてみればおかしい。
葵は人一倍正義感が強かったし、いくら舞を憎んでいても殺すなんて絶対にしないはず。
これには何か訳があるんじゃないか。
殺そうって思うのと、それを実行に移すのとは、天と地ほど差がある。