喫茶の謎解き意地悪紳士2


詩音が無言で何も言えずにいると、阿部が疑いの目で葵をもう一度みた。

「……署まで来てもらえるか?」

「そんなっ!!私は本当に殺してないっ!信じてください!詩音も!」

葵が泣きながら詩音の肩を揺さぶった。

本当に葵が舞を殺したと錯覚しただけで、別に真犯人がいるなら……私が『葵は殺してない』と言わないと、葵の人生がめちゃくちゃになる。

逆に、葵が本当に舞を殺したのなら……ここで『葵が殺した』って言わないと、殺人犯を野放しにすることになる。


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