喫茶の謎解き意地悪紳士2
憎たらしい、叶亜の声だ。
「ごめんなさい。……なんか、舞のこと思うと悲しくなっちゃって」
叶亜は人の負の感情が感じ取れる。
きっと私の"悲しみ"の感情を感じたんだ。
「……なんでさっき、嘘をついた」
「えっ?……きゃっ!」
ぐいっと袖を引っ張られ、叶亜の顔が間近に迫る。
カァッと顔が熱くなっていくのが分かった。
「なんでさっき、あの女が被害者を殺してないって嘘ついたかって聞いてるんだ」
耳元で囁かれる叶亜の声。
全部……見抜かれてたんだ。
「……別に嘘なんて」
「君は嘘が下手くそだなー。嘘が上手いやつも嫌いだが、嘘が下手くそなやつもとことん嫌いだ」
この人、何言ってるんだ。
「……分かりました。全部話します」
詩音は諦めて叶亜に話すことにした。