喫茶の謎解き意地悪紳士2
どんなに隠したって、この人には何でも見抜かれてしまう。
隠すだけ無駄だろう。
「……なんだ?二人で内緒話か?」
『俺も混ぜてくれ』と言わんばかりに、阿部が近づいてくる。
警察に話すと、それこそ葵が犯人扱いされてしまう。
まだ、"確実"ではないのに。
「阿部さん。邪魔です。出てってください」
「あっ!?なんだよ、それ!俺、刑事だぞ」
「そんなことは知ってます。どうぞ、出口へ」
「……いい加減、車椅子のタイヤ、壊すぞ。」
「それ、毎回言ってますけど、器物損壊で捕まりますよ。」
結局、言い争いも叶亜の勝ち。
阿部は「ちっ」と舌打ちして、部屋を出ていった。