仮想世界
始まり
始まりはそう。


あの日、あの機会をかぶった瞬間から。


もうその時から、始まっていたんだ。


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「一華、一華ってばぁー」


「なにー??」


「材料取ってきたらからここ置いとくよー??」


ドアから花恋(かれん)の声が聞こえる。


「はあーい、ありがとー」


花恋は私の友達。


今はある事情でお互い一緒に暮らしている。


「んじゃあまた収穫行ってまいりまーす」


「気をつけてよー」


こんな生活も慣れてきて早一年が経つ。


正直、もううんざり。


初めは生きたくないって、


なんでって思った。


こんなところいたって楽しくない。


早く帰りたい。


そんなことばかり。


不安と恐怖でいっぱいで。


なにもかも、壊れそうで。


もうやだ。


誰か助けて…


私はいつしか人を求めるようになった。


この世界に来てからというもの…。


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