仮想世界
私たちの世界は昔、今やおばあちゃんの年頃、戦争があった。


今ではそれが程遠く、全く昔の事を人ごとだと思う中。


そんな戦争のかけらすらない今のわたし達の世界に再びこの世界での戦争、争いが毎日のように繰り返されている。


このゲームを始めてから一年。


一年前のはじめの出来事。


それは誰一人のプレーヤーが忘れることはなかろうという背景だった。


佐々木 一夜(ささき いちや)


彼がこの世界を作った張本人。


つまり、このゲームを造った人。


どういうつもりでかは分からない。


ただ、このゲームに参加した約6000千人が今この世界で怯えている。


そして、一年たった今400人の人達はこのゲームで命を落とした。


第一階の広場で6000人のプレーヤーが矯正集合。


プレーヤーの前に現れたのが佐々木一夜だった。


そこで彼はこんなことをいい始めた。


「この世界に入ったものすべてのプレーヤーのウィンドウの中にあるログインボタンを消去してある」


と。


よくよく確認したが間違いはなかった。


ログインが出来ない。


つまり、このゲームを辞めることができない。


そんなの普通ありえると思う??


だって、


だって、ただのゲームだと思ってた。


そんな気持ちで始めたこのゲームをしたことで、現実世界に戻れないなんて。


「現実世界に戻れる条件はただ一つ。それはゲームクリアをすること」


それは普通のゲームだと思った。


本当にそこらへんの。


だけどそれほど甘くはなく

「このゲームクリアの条件は、誰かひとりを殺して自分が現実世界に入るのか。もうひとつはこの建物の屋上、つまり百階にいるボスを倒してからのゲームクリアか。ただし、この中の誰か一人が百階のボスを倒した時点で生き残り全員を解放する。ただし」


しんとなる空気。


「この世界で死んだ瞬間と同時に、現実世界でも死を与えられる」


な、なにこのむちゃくちゃな条件。


こんなの、あってはいけないはず。


このゲームで死んじゃったら現実世界でも死んじゃうなんて。


「武器はそれぞれ自由に所持してくれていい。相手を殺してまでも自分は現実に戻るのか。それても百階に行くのか。それからひとついい忘れたが、3階からはモンスターを準備してある。上に上がれば上がるほど難易度は高まる」

「「「…」」」

「つまりこのゲームは、周囲を殺して自分を生かすか、あるいは死者を出さずにゲームクリアするか。どちらか、君達に試したい。では早速だが、ゲームを再開する」

意味が分からない。

本当に私たちはここで死ねばもう、死んだことになってしまうの??

なんでこんなことになって…

そんなことを改めて考える暇はなくゲームは開始された。

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