視線の先にはいつも君




その時、頭に重さを感じた。


それで自然に顔が下に向く。




すぐにわかる。それが拓人の腕だってことくらい。



何回、やられたと思ってるのよ。




「ほら2人早く帰んなよ。この後デートなんだろ?」




でも、なんだろう。



いつもより優しい。




「え、あ。そうだね。じゃあ帰ろっか?」


「うんっ」





下を向かされてた私には、2人の顔がどんなだったかわからない。



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