視線の先にはいつも君
隣
*私の隣
*・*・*・*
それから数日。
あれだけ大泣きしたから、拓人に顔を合わせるのがなんだか気まずい気がしたけど、そんな心配は無用で。
拓人の態度はいつもと変わらない調子だった。
ただ。
私が楢橋君や小町さんを見かける度、必ずと言っていい程隣には拓人がいた。
「拓人。もう大丈夫だよ」
「何が?」
そう言っても、拓人は知らないふり。
でも。
「…ありがと」
「別に」
お礼を言えばそう返してくれるから、私を心配して側にいてくれるのはわかってた。