視線の先にはいつも君
『実は俺…彼女できたんだよね』
あの日。
穂花が俺にタオルを届けてくれた日。
京太からその事実を聞いた時、すぐに浮かんだのは穂花の顔。
大事な友達の幸せを喜ぶべきなのにできなくて、なのに穂花が京太を諦めてくれるかもなんてことに卑怯にも喜んで。
相変わらず京太を見るたびに嬉しそうな顔をする穂花に、それが伝えられずにここまで来てしまった。
卑怯なのはわかってる。
けど、チャンスだと思った。
穂花に、俺を見て欲しいって。
蓋をしてきた気持ちが、抑えられなくなった。