視線の先にはいつも君
「流石に冗談で笑い飛ばすのはできねぇけどさ。忘れてくれていいから」
「で、でも…」
「本当は意識してほしいけどね。でも、穂花俺のこと避けるじゃん。今までの関係が崩れるくらいなら、お前とバカやってる友達の方がいい」
お前は、優しいから。
俺がそう言えば無理にでも笑うんだ。
俺を困らせるって思って、笑う。
いつもならそれが嫌で、無理するなよなんて思うけど。
今だけは、そのお前の無理を利用させて。
ごめん、穂花。
「今朝は俺とバカやってはしゃぎながら登校した。穂花は何も見てないし、聞いてない」
やっぱり、この想いは言わない方がよかった。
「何も変わらない、仲のいい友達」
穂花。ずっと好きだった。
俺はそんな君の恋を、影で応援することにするよ。