視線の先にはいつも君
その日の放課後。
いつも通り鈴菜とすぐ帰ろうとした時。
「…あ、」
「ん?穂花どうかした?」
部活だというのにまた拓人のタオルを教室で見つけた。
「あのバカ」
何回忘れたら気が済むのよ。
サッカーに一直線すぎてその目的のためなら何かが必ず抜ける。それが拓人。
「はぁ〜…。鈴菜、先帰ってていいよ。私アイツにタオル届けてくる」
「んー。わかったよ」
せっかく鈴菜と帰ろうとしてたのに。
ブツブツと文句を言いながら私はタオルを持ってグラウンドに向かった。