視線の先にはいつも君



「…ッ、ごめん」


「……え?」



拓人が急に謝ってきたことに、意味がわからなかった。







「なかったことにしてとか言ったくせにまだ引きずってるとか、穂花困るよな」



「ごめん」と、もう一度拓人は謝る。






…私のことばっかり。


拓人だって、辛いくせに。






「……だよ」


「え?」


「優しすぎるんだよ、拓人は」




サッカー以外は不器用なくせに。


普段は人のこと馬鹿にするくせに。からかうくせに。





凄く、優しいんだから。





< 74 / 83 >

この作品をシェア

pagetop